ケニア／
キウンユ　ウェットミル　FW

＜産地情報＞

キウンユウェットミルは1960年代に設立されました。当ウェットミルを含め2つのミルを所有・運営しているカリタティ農協組合には、周辺の村々*に住む3,082名のメンバーが所属し、キウンユウェットミルへコーヒーチェリーを持ち込んでいます。彼らはコーヒーのほか、バナナやトウモロコシなどの作物も多く栽培しています。

*Kianduma:ｷｱﾝﾄﾞｩﾏ, Kiambuku:ｷｱﾝﾌﾞｸ, Kiambatha:ｷｱﾝﾊﾞﾀ, Gature:ｶﾞﾄｩﾚ, Kiamuki:ｷｱﾑｷ

＜サステナビリティ＞

環境保全への関心が高まる中、当ウェットミルでは廃水の管理に工夫を凝らしています。廃水時は水源であるカリタティ川から距離を置いた場所に設けられた穴(浸透ピット)に流し、ゆっくりと土壌に戻していくことで、水質汚染を防ぐ仕組みを採用しています。現時点では廃水の浄化処理は実施しておりませんが、将来的には導入する可能性もあります。また組合では所属メンバーに対して、農園への植樹活動を推進しています。ミルの運営は、1人のミルマネージャーを中心に、スタッフ全員で行われています。主に、持ち込まれるチェリーの重量計測やグレード分け、生産者への支払い、生産者からの要望や苦情への対応などを行っています。加えて、農業資材の後払いシステムや、作物に対する現金前払い制度を導入するなど、生産者の経済的な負担軽減にも注力しています。

＜生産工程＞

チェリーが摘み取られたその瞬間から、品質を左右する工程はスタートしています。収穫から生産処理までのわずかな時間こそが、豆のポテンシャルを最もよく引き出すための重要なタイミングです。どのような生産処理方法を施すかによって、豆が持つ本来の風味がストレートに表れるのか、あるいは別の魅力が引き出されるのかが決まっていきます。キウンユウェットミルでは、生産者が持ち込んだチェリーを、パルパーを使ってすぐに果肉を除去し、ミューシレージと呼ばれる粘質物を取り除く処理が行われます。ミューシレージは水に溶けにくく、パーチメントに強く付着しています。そのため、パーチメントを水の張った醗酵槽に一晩浸け、自然醗酵させることでミューシレージに含まれる糖分を分解し、除去しやすくします。翌日、ウェットパーチメントを醗酵槽の中で軽く洗い、水路に流します。そこではミューシレージを、”木べら”を使ってこそぎ落としたり、ポンプを用いて強い水流で洗うことでパーチメントを綺麗にします。最後にアフリカンベッドにパーチメントを広げ、天日乾燥させます。ウォッシュドプロセスは、このようにミューシレージを綺麗に分解・除去することで、雑味がなくクリーンで、豆が持つ明瞭な風味が引き出されたコーヒーになります。生産処理で使用する水は、近くを流れるカリタティ川から引いています。果肉除去や醗酵後のパーチメントを洗う工程でも使用し、また再利用するために貯水タンクで循環管理されています。

じんわり甘〜く染み渡るケニアがやってきた！キウンユウェットミルではコーヒーチェリーの果肉除去後、コーヒー豆のまわりについているミューシレージ(さくらんぼの種などの周りにあるような、ぬめりのある部分のこと)の除去に非常に気を使っています。この工程はクリーンなウォッシュドコーヒーを作る上で非常に重要です。クリーンな味わいに仕上げることで、コーヒー豆本来のポテンシャルがはっきりと感じられるようになります。

浅煎りではピーチやフルーツトマトのようなケニアらしい果実味。深煎りではじんわり黒糖のような濃厚な甘さとコクが楽しめる、素晴らしいケニアです！