• 大宮氷川参道店

スペシャルティコーヒー物語

POSTED : 2023.11.03

私は、さまざまなお豆があることや抽出器具、抽出方法があることを知ると、あれもこれも試したくなり、朝だけでなく1日に何度も淹れるようになりました。淹れ方だけでなく、さまざまな知識の一端は、コーヒーにまつわる書籍からと言えるかもしれません。

　興味を持ち始めてから、書店に行って棚を覗いた中で、だいたいどこの書店にもあった1冊がありました。

『スペシャルティ コーヒー 物語』(2018年 楽工社刊)

　2018年の出版と少し前に刊行されたものです。話は2000年代初頭から、すでにスペシャルティコーヒーの業界では有名だった、アメリカのコーヒーショップの経営者やバリスタ、バイヤー達が、どのようにこの良さを世界に広めようとしてきたかを綴ったルポルタージュです。筆者が旅に同行したり、インタビューをまとめたりしたもので、より美味しい、品質の高いコーヒーを探して世界の農園をまわっている姿の記録とも言える内容です。

　その一つがゲイシャ種を求めての物語です。

　中米コスタリカで、アメリカのコーヒーショップ、スタンプタウンのデュエン・ソレンソン氏が農園を訪問する途中、用足しで止まった道端で、ふと見上げると、普通と違うコーヒーノキを見つけたのがゲイシャ種だったというのです。世界が血眼で探しているゲイシャ種との偶然の出会いの物語を読んだ時は、物語の当事者と共に、なにか笑いさえ浮かんできました。

　今やゲイシャ種を栽培している農園は多くなっていると感じますが、やはりあの華やかな香りとコンプレックスな味わいは、ほかのお豆とは一線を画すものがありますね。

　常盤珈琲焙煎所で取り扱っているお豆全てがスペシャルティコーヒーです。現在5種のゲイシャ種をご用意しております。あなたの特別な1杯がこの中にありますように！